日誌

校長式辞

埼玉県立寄居城北高等学校

第10回 卒業証書授与式

式 辞 

 卒業生の皆さん、卒業おめでとうございます。

 記念すべき晴れの卒業式を在校生や保護者の皆様、多くのご来賓の方々と一緒にお祝いすべきところでしたが、今年は新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、簡素な形で行うことになりましたこと大変申し訳なく思っています。 

 さて、皆さんは三年間の高校生活を終えて、今日この場から、それぞれの人生に向かって歩み始めるわけですが、三年という時の流れを振り返った時、皆さんの心の中はきっと充実した毎日で清々しい満足感で一杯だろうと思います。中には、ほんの少しの後悔が入り混じっている人もいるかもしれませんが、本校で培ったものが十年後、二十年後の時代になっても、皆さんの心の中で生き生きとした生命を持ち続け、その人生を支えていくものであってほしいと願っています。

 そこで、輝かしい門出に当たり、私が日頃考えていることの一端をお話しして、はなむけの言葉としたいと思います。 

 まず始めに「有言実行の人であれ」ということを申し上げます。

 言ったことを実行に移すというのは、簡単にできるものではありません。しかし、これから社会をたくましく生きぬく上で、皆さんは自分の意見や主張がきちんと述べられる人にならなければいけないと思います。他人の意見に引きずられ、主体性をなくしてしまうことがないように、自分自身をしっかりと確立し、自分の考えをきちんとした言葉で表現できる人になってほしいと思います。

 正しいと信じることは、堂々と実行しましょう。言うだけ言って、後は何もしない人にはならないでください。

 今はまさに「有言実行」の時代です。言おう、そして行動しよう、そういう積極的な姿勢をいつまでも持ち続け、社会に有用な人物となり、多くの人々から信頼を寄せられるような人間になってください。

  次に申し上げたいことは、「偽物になるな」ということであります。

 装飾品などで外国製品のコピーが出回り、色々な問題を引き起こすことがありますが、どんなに姿形をそっくりに作っても、偽物は偽物です。本物になることはできません。装飾品ばかりでなく、美術品や電化製品にしてもそれは同じことです。

 しかし、人間は努力次第で、自分を変えていくことができます。心がけ一つで明暗を逆にすることも可能です。

 就職する皆さんはもちろん、進学する人たちも、いずれは社会人として新しい道を歩き始めます。そこで社会が皆さんに要求するものは何だと思いますか?それは、与えられた仕事に責任を持ち、その仕事に打ち込んでいく熱い心だと思います。言い換えれば自分の仕事に対する使命感です。こぎれいにお化粧をする人よりも、仕事に情熱をもって当たれる人でなければなりません。流行のファッションで着飾る人よりも、その仕事を愛し、生き生きとした生活感を持つ人であることだと思います。生きていく上での厳しさから逃げ回っていてはいけないのです。自らの弱さに妥協してしまったら、本物になることはできません。 

 本校で学び、身に着けた力は、決して他に引けを取るものではないはずです。先生方は皆さんをそれほどヤワな人間には育てなかったはずです。向上しようという意欲と努力さえ忘れなければ、皆さんは中身のない、偽物にはならないのです。

 皆さんが巣立っていく先は、実力がものをいう社会です。小細工だけで、世の中を渡ろうなどと、絶対に考えてはいけません。自分を磨き、自分を進歩向上させようとする強い意志をもって自らの人生を歩んでください。人は磨けばダイヤモンドのように輝くのです。自分の可能性を信じて、意義のある毎日を送ってください。 

 さて、今、三年間の様々な思い出を一瞬の出来事のように思い出している人も多いのではないかと思います。辛かったこと、楽しかったことなど様々であると思いますが、再び巡ってくることのない貴重な思い出として、いつまでもそれを大切にしてください。  

 そうした折に臨んで、皆さんに忘れてほしくないことがあります。それは、これまで、何かにつけて皆さんを支えてこられたご家族のことです。どうかご家族への感謝を忘れないでください。そしてもう一つ、皆さんをここまで導いてきた担任の先生をはじめとする本校の先生方のことも、心に刻んでおいてほしいと思います。時に優しく、時に厳しく、また時には少しうるさい存在でもあったかと思いますが、先生方の誰もが皆さんの将来を、豊かで明るいものにしたいと願っているのです。 

 いよいよ皆さんにお別れを言う時が来ました。皆さんが社会人として活躍する五年後、十年後、その時に備えて、たゆまぬ前進を続けてください。皆さんの前途が洋々たるのものであることを信じ、将来のご多幸をお祈りして、式辞といたします。

 

令和2年3月11日

埼玉県立寄居城北高等学校長 高野庸夫