日誌

令和6年度第1学期 避難訓練 校長講話(令和6年7月18日)

 皆さん、おはようございます。今日は皆さんに、避難訓練の目的、迅速な避難の大切さ、点呼の重要性、この3つの話のほかに、思い出してもらいたいことをひとつ、付け加えて話します。

 1つ目。避難訓練は、地震や火事などの災害が起きたときに、皆さんの一番大切な「命」を守る力、これを身につけてもらうためのものです。まさかのとき、どんな動きをすればよいのか。実際に体を動かして体験しておくのは、とても重要なことです。

 歌手や演奏家や演劇に携わる人がステージでリハーサルを行うのは、本番と同じ場所で動いてみないとわからないことが山ほどあるからです。避難訓練も同じです。皆さん、実際に動いてみて、廊下や階段で邪魔になるものはなかったでしょうか。移動するときの状況や避難経路、消火器の場所などに不備はなかったでしょうか。なめてかかると命を落とすのが災害です。「備えあれば憂いなし」と言いますが、避難訓練は、まさに、その備えを身に付けてもらうことを目的としています。

 2つ目。迅速な避難の大切さについて話します。今日は、避難を促す放送から点呼終了までに、7分34秒かかりました。皆さんにとって、この数字はどういう評価になりますか?

 1秒の遅れが命取りになるかもしれません。逆に、慌てて階段などで人を押してしまって、かえって多くの死傷者を出してしまうかもしれません。そんなニュースは、今までたくさん耳にしています。今日の皆さんの行動のバランスは、どうでしたか?

 3つ目。点呼について考えてみましょう。

 一人の命も落としてはいけない状況では、点呼はたいへん重要です。誰がいるのかいないのか。学校に来ているはずの生徒がいないと心配して、探しに戻って被害に遭う人がいたら、どうでしょうか。また、遅れて登校してきたのに報告がなかったため、その生徒が逃げ遅れているのに誰も気がつかない。そんなことがあったら、どうでしょうか。

 先生方が丁寧に皆さんの出欠確認をするのは、こうした大切な理由もあるのです。どうか、欠席・遅刻の連絡、遅れて登校したときの報告を、普段から大切にしてください。

 最後に思い出してもらいたいのは、いのちと、時間と、きまりについての話です。

 今年の正月、1月2日に、羽田空港で旅客機と海上保安庁の飛行機が衝突、炎上する大事故がありました。覚えていますか? 残念ながら海上保安庁の方はお亡くなりになりましたが、旅客機の乗客・乗員には死者がなく、世界中で「奇跡だ」と大きく報道されていました。

 一番大切な「いのち」を守るため、飛行機の機体が燃え上がるまでのわずかな「時間」を大切にし、乗員の皆さんが普段の訓練で身につけた「ルール」どおりに安全を確保して、乗客の皆さんが「マナー」を守って行動しました。きまりごとを大切にした結果です。奇跡は、一人ひとりが小さなことを積み重ねたから起こりました。

 私が話す「いのちと時間ときまりを大切にしましょう」という言葉の背景には、こういうこともあります。どうか、今後も、「いのち」と「時間」と「きまり」を大切にしてください。

  今日は暑いので、話の長さはいつもの半分にしました。終わります。